告知など
- 「勇者彼女がトイレから出てきません。」
- 彼女がうちのアパートに来たかと思ったらトイレに入って出てこなくて、 何をしているかというと、異世界で勇者をしている話。
- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」
- そろそろ子育てエッセイなどというものを書いてみようかと思った次第。
- 「小説生成システム開発計画 - プロジェクトNUE」
- 計算機に小説、いや、使い物になる文章を作らせてみようという試みを、 勉強しながらやってます。
2010-09-09 [Thu]
▼ アリエッティ
先日時間を見付けて借りぐらしのアリエッティを見てきた。
ああ、宮崎駿はなんというか、純文学的ポジションで成立させてもらえるところになっちゃったのね、と思った。
とにかく細部の描写がすばらしい。小人が使うポットからでる水滴が大きいところかね。
細かな動きも丁寧で、本当にすばらしい。
そういう意味で、描写や細部を鑑賞するだけで価値がある。
しかし、このプロットでは僕の感覚だとあと1.5章+エピローグ分くらい足りない。普通のエンタメのストーリー構成だと、もうひと山クライマックスにあって、エピローグにどうまとめるか、というところまでやらないと、許してもらえない。
そういうところが純文学的。それでいいなら、いいんじゃないかな、と思う。
すぐに思い付く安直な展開は、あのあと主人公の病気が突如悪化し(その原因がアリエッティ)、それを救うためにアリエッティが頑張る→解決→(借りぐらしだけど借りは返したぜ、みたいな)→そして別れ→少年少女は大人に、なんかだけど。
まあ、そういうのはしないのね、ということなのだろう。
アリエッティがそこはかとなくエロいのは、要するに表情とか動作とか描写が丁寧だからだと思う。「萌え」という記号として強調しなくても、普通の女の子を普通に丁寧に描写すれば、十分センシャルなのだろう。
言い替えれば、普通の実在の女の子をちゃんと丁寧に観察すると、それだけで十分萌えられるぜ、だから男子たち、近くにいる女の子のことをちゃんと見てやろうぜ、とも思う。
あとですな、あの終わり方の余韻の先にあるのって、「結ばれない相手との初恋を胸に、別の男に抱かれるアリエッティ」なわけで、そういうところも含めて、宮崎駿監督は本物の変態だなあと思う。
あ、ちなみにエンタメ的には上記の展開が真っ先に思い浮かぶけど、SF的には少年を救うためにアリエッティが少年の心臓の役目を果たすために体内に埋め込まれ、ずっと一緒だよ、的な、感じが、更に変態的でよいと思います。