告知など


2010-03-20 [Sat]

日本における電子書籍について

最初に明言しておくと、僕は出版業界のありかたとか、出版業界の未来とか、電子出版のビジネスモデルと出版社の関わりとか、そういう部分にはまったく興味がないし、触れたくもないです。

という前提で、しかしkindleで少し遊んだ関係上、電子出版関係の情報なんかが目に入ってしまうわけです。

そして、出て来たのが、これ。

電子書籍の規格統一へ政府が意欲、出版業界の代表らを集めて懇談会を開催

書かれている内容を読んで、こりゃ駄目だと思いました。この陣容では何も解決できない。

長尾先生や徳田先生はそれぞれの立場から発言するだろうけれど、彼らが物作りの部分をドライブするとは思えない。

物作りについて言えば、今日本語の電子出版で必要なのは、デバイスではないです。なぜなら、デバイスは放っておいても良い物が色々出てくる流れになっているから(kindleやiPadなど)。そして、これらのデバイスは既に高性能なコンピュータなので、ファームウェアの更新でいくらでも機能が追加できます。

そうなると今足りていないものは何かと言えば、日本語で電子出版をするための標準フォーマットと、その実装ではないかと思います。これについてはEPUBの日本語化についてJEPA(日本電子出版協会)が働きかけを開始しています

しかし、こういうのは参照実装があってナンボという部分があります。

ざっと調べてみたところ、ACCESSがNetFrontのエンジンをベースにして、独自にEPUBを縦書対応にした実装を持っているようです。

そうなると、今やるべきは「EPUBの日本語仕様について、シンプルなミニマムセットを定義し、標準化に持っていく」「その際に参照実装を提示する」「実装のソースコードが公開されるととてもよい」だろうと思います。

出版業界の要望を全部聞いていると収集がつかないので、ミニマムセットを作るのが大事。

あと、漫画を考えると、画像だけのページに、字幕的なテキストを複数言語分格納できたりするといいかもしれない。

日本語の読み上げを考えても、読むための情報と、それ以外の情報を複数格納できたほうが良いでしょう(このあたりが、現状のEPUBでどうなっているのかは、知りません)。

フォーマットが決まってしまえば、オーサリング側は商売になるから、誰か(Adobeとか)がやるだろうと思うので、どうでもいいです。

ということで、ACCESSにいる知人に、何か動いているか、こっそり聞いてみようかな。


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